ジェフ・ヤス
ジェフヤス氏は新マーケットの魔術師に出てくるトレーダーです。
en.wikipedia.org米国に拠点を置く「サスケハンナインターナショナル」の共同創業者であり、サスケハンナは現在、巨大な金融コングロマリットとして存在感のある企業です。
実は次は別の人をまとめる予定だったのですが、急遽ジェフ・ヤス氏をまとめることにしたのは、こんな情報を見つけたからでした。
日本でもワラントやCBの発行に一役噛んでるCVI Investments,Inc がサスケハンナインターナショナルのグループみたいです。
「サスケハンナ??どこかで聞いたことあるような...あ!マーケットの魔術師やん!」って思ったので、調べたら新マーケットの魔術師に出てくるトレーダーが作った会社が、巡り巡って現在日本株のワラントやCBの発行に一枚噛んでました。
いやはや、金融市場の有機的なつながりというものはすごいですね。
経歴
1956年生まれ
子供のころから証券市場に興味を持ち、新聞の株式欄を切り取ったりする。
11歳のときはじめて株取引をする。
高校生のときオプション取引を知る。
大学生のときポーカーを始める。
1981年オプション取引を始める。
1987年サスケハンナインターナショナルを友人と設立。
投資哲学
私が世界6位のポーカープレイヤーで、1位から5位のプレーヤーと一緒にゲームをしたら、ほとんど勝ち目はない。ところが、もし私が極めて平均的なプレーヤーだったとしても、相手が平均以下なら、勝つことができる。
と言っており、取引相手の技術と知識レベルを想定し、取引戦略を構築します。
また、オプショントレーダーを訓練するとき、実際にポーカーの戦略を使って訓練するようです。
ポーカーとオプション・トレーディングに当てはめる基本的な考えは、どちらも本来目標とするのは勝つ回数ではなく、最大限の収益を実現するということです。
オプションの取引戦略については、私が大学で受講したすべての経済学の講義よりも、ポーカーから学びました。
と言っております。
現実のマーケットを描くには、私のモデルを含む、だれのオプション・モデルも単純すぎて適切とは言えません。実際のマーケットと同じくらい情報化されたモデルを作るのは、不可能でしょう。
マーケットの知恵は、われわれよりもずっと大きい、というのが私の会社の哲学です。マーケットで決まる価格は、ものの価値を測る最高の尺度だと、私は思います。マーケットの効率性を信じるということは、自分の信念やエゴを捨てるということです。
と言っており、あくまでもマーケットに合わせ、柔軟に行動していることがうかがえます。
また、確率に関して、モンティホール問題を例に出しています。
オプション取引の意思決定は条件付きの確率に基づいている、ということです。あるオプションの価値がXだと考えていて、だれかがX+Yで買いを入れたら、私はそのオプションの価格を再設定しなければなりません。当然に思えるものほど、二重に確認しなくてはいけません。
モンティホール問題とは次のような問題です。
ja.wikipedia.orgA,B,C3つの扉があり、そのうち一つの扉の向こうには豪華賞品、二つはハズレが入っており、このゲームの主催者はどの扉に豪華賞品が入っているか知っています。
参加者はA,B,Cから扉を一つ選びます。すると、主催者は参加者が選んでいない扉のうち、ハズレの扉を開け(二つともハズレの場合はランダムに選ぶ)、参加者に知らせます。そのとき、参加者は選んだ扉を変えた方がいいのかどうかという問題です。
結論から言うと、そのままだと豪華賞品が当たる確率は3分の1、変えると豪華賞品が当たる確率が3分の2になるので変えた方が良いです。
「火曜日生まれの男の子の問題」みたいですね。
ただ、この問題は、多くの人の直感は、「変えても変えなくても2分の1である」というものです。(自分も直感的にそう思いました。)
もしエゴを捨てることができ、マーケットの語り掛けを聞くことができれば、とても大きな情報源を得ることができる。
というのがジェフヤス氏の意見です。