株式市場探検

日本株の売買・研究の備忘録。結構テキトーです。

ブレアー・ハル

ブレアーハル氏は新マーケットの魔術師に出てくるオプショントレーダーです。

トレーダーになる前はブラックジャックのプレーヤーであり、根っからのギャンブラーです。

 

経歴

祖父が株価チャートを付けていた時からマーケットに興味を持つ

サンタクララ大学ビジネススクールで金融市場について学ぶ

卒業後、ブレアー・アンド・カンパニーの証券分析部門に就職(1969年)

株価低迷のあおりを受け、入社3か月で部門が閉鎖される

大型コンピューターの時間貸しの営業の仕事に就職

一年後、カイザーサメント社の業務分析調査部に転職

そのとき、エドワード・ソープ氏の「ディーラーを打ち負かせ」という本を読んで、ブラックジャックに興味を持ち、1971~1975年は暇があればカジノに足を運ぶ

ブラックジャックプレーヤーの友人づてで、ブラックジャックチームの紹介を受ける

チームの入団テストに最初は落ちるが、後に合格し、カジノでブラックッジャックのチームプレイで荒稼ぎするが、カジノにバレる

小さなチームでやったり、場所を変えたり、ポーカーの確率的側面の研究を行うようになる

1975年からはオプション価格モデルの確率論的考察を始める

1976年からパシフィック証券取引所のマーケットメーカーとして働く

1985年独立し、ハル・トレーディングカンパニーを設立

1991年従業員が100人近くに

 

投資哲学

ブレアー・アンド・カンパニーの証券分析部門での学びについて、

財務分析、証券分析、ファンダメンタルズ分析、そしてそのすべてがとても主観的だということ。つまり、数量化や体系化することができない手法だということを学んだね。そして、これらは僕には向いていない、ということもね。

 コンピューターを用い、確率論的に体系化できる戦略がブレアーハル氏の性に合っていたということですね。

 

 

ブラックジャックの攻略法の普及について

重要なのは算術的な技術でなく、そのシステムを完全に運用することなんだ。ゲームで有利になるための技術を習得するプレーヤーは少ないし、負けることにも心理的に打ち勝って、システムを完全に運用できるプレーヤーはもっと少ないんだ。そんなことができるのは、おそらく500人の一人くらいのものさ。

 いくら勝ち方が広まったとしても、その勝ち方を身に着けるのに必要な多くの努力や規律は、簡単には身に着けられるものではないと考えているようです。

 

 

ブラックジャックとトレーディングについて

必要なのは、数学的な有利さと掛け金をコントロールすること。これによってゲームを続けることができるからね。これさえできれば後はうまくいくものさ。

 と言っており、ブラックジャックプレーヤー時代のリスク管理の知識が、トレードを始めるにあたってとても助けになったようです。

 

 

数学的なオプションモデルについて

ほとんどのモデルは、株式オプションが対数正規分布に従うと仮定してるんだ。でも、僕は金融市場のほとんどにおいて、現実の価格分布は対数正規分布で示されるよりも、そのサイクルの終焉の部分の分布は場が広いことに気が付いたんだ。

 ファットテールのことですかね。

 

オプショントレーダーとして成功するために

ニュースは信用できない、っていうところかな。事実に対応する以外ないんだよ。理論的なアプローチで、それをつかいこなす精神力があって、気持ちをコントロールできなければいけないな。

他には継続。ホームランではなく、小さな、理論的なトレード上の有利さを積み重ねていかなくちゃいけない。

「ここだけの耳寄り話」に頼らず、ただ目の前の事実に対応すべしだというのは、多くの一流相場師たちが言っていることでもあります。