株式市場探検

日本株の売買・研究の備忘録。結構テキトーです。

フィリップ・フィッシャー

成長株投資のパイオニア、フィリップフィッシャー氏です。

ja.wikipedia.org

あのウォーレンバフェット氏の投資哲学は、グレアムとフィッシャーの影響が強いと自身が認めております。

フィッシャーの祖先はユダヤ人のようで、やはり教義的にもユダヤ人の投資家は一流のことが多いですね。

経歴

カリフォルニア大学バークレー校を20歳で卒業

スタンフォード大学経営大学院に進むが1年で中退

経営大学院の授業で、地元企業を訪問して分析する授業があり、学生ながら車を持っていたフィッシャーはその担当教授の運転手役となり、教授と色々と話す中で投資に興味を持ったようです。

中退後、1928年5月、クロッカー・アングロ・ナショナル・バンクに就職し、現在でいう証券アナリストのような職についていたようです。

1931年、独立し、投資顧問業のフィッシャー&カンパニーを創業

しかしWW2により軍隊に入隊するため事業は中断することに。ここで会計と財務の担当者として、軍務の傍ら、自分やほかの人の投資を見直していき、ここでの考察が多くの気づきのきっかけとなったようです。

1945年、終戦により、経営に復帰。助言だけでなく実際に投資活動も行うように。

 

投資哲学

二つの基本的な考え

1.大きな利益を得るためには忍耐が必要ということである。株価に何が起こるかを予想するほうが、それがいつ起こるかを予想するよりも簡単だからだ

2.株式市場がみんなを欺こうとする性質を持っているということだ。みんながしていることにつられて同じことをしてしまえば、たいていは全く間違っているのである。

 

超成長株を見つけるための周辺情報利用法

 周辺情報を利用し、その企業に関係する人たちに徹底して聞き込み、15のポイントに注目することでその企業の成長性や競争力、本当の価値を見抜く手法

  1. その企業は、少なくとも数年は収益が増え続けることを可能にする、十分な市場可能性のある製品やサービスをもっているか?
  2. 現在売れている製品ラインの潜在的な需要がほとんどなくなったときに、経営陣には会社の収益をさらに伸ばすような製品やプロセスを開発・発展し続ける決意があるか?
  3. 企業の規模と比べて、どのくらい企業のリサーチと開発努力が効果的であるか?
  4. その企業は、平均以上の販売組織があるか?
  5. その企業には、十分な利幅があるか?
  6. 利幅を改善、または維持するために何をしているか?
  7. その企業には、労働者・従業員との関係に特筆すべき点があるか?
  8. その企業には、企業幹部との関係に特筆すべき点があるか?
  9. その企業は、マネージメントに柔軟性があるか?
  10. 企業の費用分析と会計管理は、どのくらいきちんとしているか?
  11. 競争相手と比べて、どのぐらいその企業が突出しているかを知る手がかりとなるような、その分野特有の評価できる特徴がなにかあるか?
  12. 利益という点で、短期間および長期間の見通しがその企業にあるか?
  13. 予測可能な未来に、企業の成長が著しいために自己資金調達が行われ、その結果株式の総数が増大し、現在の株主が予期していた利益が、ほとんど相殺されてしまうような事態になりそうか?
  14. その企業の経営陣は、物事がうまくいっている時には、さまざまな出来事を投資家にどんどん話すのに、問題や損失が生じると、だんまりを決め込んでしまうようなことがあるか?
  15. その企業は、完璧な経営体制を敷いているか?

 いずれも、「部屋にこもって数理計算をするだけで判断できる」ものではないと言っています。

大切なのは、数字を手に入れるかどうかでなく、どれだけ細かい数字を手に入れられるかでもなく、手に入れた数字が十分に信頼できるものかどうかという点です。

 実際、フィッシャーは聞き込みを重視しているようで、企業を訪問する際は必ず事前に質問を用意して、黄色い紙に書き込み用の間隔をあけてタイプしていたようです。

過去よりも未来

過去数年間の株価を見て、最適な値段を算出しようとする手法について、「愚かなやり方」「危険なやり方」を言い切っています。

投資家にとって意味を持つのは過去5年間でなく、今後5年間の利益だということを忘れてはなりません。

 

われわれは支配下におかなければならないのは、過去ではなく未来なのです。

 また、分散投資の否定、保有期間は永遠に、なども言っており、バフェットへ影響していることが分かります。

 

保有期間は永遠に

良い株を売るように勧める人の意見をまじめに聞く必要はありません

 

一見したところ最も危険に思える道こそが実は最も安全な道であるのです。最も危険に見える安全な道とは、つまり投資を続けることです。

 その他

バフェットとは知り合いだったようです。

ファンドとはいいながら、ほとんど一人で仕事をするタイプだったようで、電車で9時に出社し、4時に退社していたということでハードワーカーではなかったようです。

生活ぶりは地味で、事務所の備品は40年間使い続けたようです。お金もちではあっても、お金を無駄にするこが大嫌いだったようです。