リスクマネジメント
リスクマネジメントで重要な3つの変数
1.損益比率
例えば、ある勝負を1回したときに、勝ったら200円もらえて、負けたら100円払う場合、損益比率は2です。買ったら100円得られて、負けても100円払うなら損益比率は1です。
2.勝率
100回勝負を行い、40回が勝ちで60回が負けになった。このとき、勝率は40%となります。
3.リスクにさらす資金割合=エクスポージャー
例えば100,000円持っていたとして、50,000円分のポジションを持っていたらこの割合は0.5になります。レバレッジをかけて、200,000円分のポジションを持っていたら、2になります。
1と2は誰もが意識していると思いますが、3はちゃんと意識しないとドボンしてしまう可能性があると思います。
破産の確率
mathtrain.jp答えは同じページに書いてあります。この高校数学の問題は、
損益比率が常に1の場合の投資に見立てることができます。
ここで、破産確率をRとし、N→∞とすると、
(1)p=q,すなわち、勝率50%のとき、R→1。つまり必ず破産
(2)p>q,すなわち、勝率が50%より大きいとき、R→α^n。αを定数とみればα<1より、破産確率はnに関し指数的な減少関数
具体例を考えてみるとさらにわかりやすいです。
優位性を持った取引を一貫して行うことができるものとします。例えばq=0.4,p=0.6とすると、α=q/p=0.4/0.6=0.66…
ここで、N→∞のとき
n=1を代入すると、Rはα=0.66…
n=2を代入すると、Rはα^2=0.44…
n=3を代入すると、Rはα^3=0.296…
n=4を代入すると、Rはα^4=0.197…
n=5を代入すると、Rはα^5=0.136…
n→∞とすると、0<α<1より、R→0つまり、nが1円に対して十分大きければ、破産確率はほぼ0と言えます。
ここで、勝ち負けで損したり得したりする1円というのは、nのうちリスクにさらす資金割合に比例していると考えることができます。つまり、nが大きければ大きいほど、nに対して1円の重みは小さくなり、それは投資においてリスクにさらす資金割合が小さくなっていると考えることができます。
つまり、リスクにさらす資金割合が小さいほど、破産の確率は指数関数的に小さくなるということです。逆にいうと、リスクにさらす資金割合が大きいほど、破産の確率は指数関数的に大きくなります。
この、「指数関数的に」というのがポイントだと思います。
厳密に議論するのは難しいのですが、個人的には「レバをかけると、破産の確率は思っているよりも格段にアップしている」くらいの認識でいます。
(追記)
上記の理論は、バルサラの破産確率の内容に大きく影響を受けています。
有名な、「ケリーの公式」もこんな感じの話っぽいですね